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1.燃料電池って何?
燃料電池といっても、私たちが使っているような、使い捨ての電池ではありません。
燃料電池というのは、反応物質を与え続ければ、いつまでも電気と熱を作り出すことのできる次世代の発電装置です。
みなさんが、中学生のころ、理科の実験で、水を電気分解という化学反応の実験をしたと思います。水に電流を流して電気分解すると、水は水素と(H2)酸素O2に分解されます。その逆に、水素H2と酸素O2をくっつけて、電気と水をつくるというのが、燃料電池のしくみです。
2.燃料電池の生まれ
燃料電池の原理は、1802年にイギリスの科学者デービーによって発見されました。そして、1839年に、イギリスの本格的な燃料電池の研究は、1960年代に入って宇宙開発の時代をむかえて、宇宙船の発電装置として必要になったからです。
燃料電池は、電気を発生すると同時に、飲み水が得られることから、特に、有人宇宙船の電源として、研究が進みました。
そして、1965年、純粋な水素と酸素を使った燃料電池が、アポロ宇宙船に積み込まれて、実用化に成功しました。
3.燃料電池発電への期待
現在、都市ガス(天然ガス)・プロパンガス・灯油から取り出した水素(H2)と空気中の酸素(O2)を反応させる燃料電池の研究が進められていて、もうすぐ実用化されます。
この燃料電池は、大気汚染の心配もなく、大きな音も出さず、たくさんの電気をつくることができ、同時に熱も有効利用されており、お湯や蒸気にして、暖房やおふろ、台所で活躍するなどなど、いい点がたくさんあります。
@家庭用燃料電池
・家庭用燃料電池コージェネレーションとは
みなさんの家に供給されている燃料から、水素(H2)をつくり、その水素(H2)と空気中の酸素(O2)から固体高分子形燃料電池で発電するとともに、そのときに発生した排熱を給湯などに利用する省エネルギーなシステムのことです。
※コージェネレーション・システムとは
ひとつのエネルギーを使って電気と熱の両方のエネルギーを取り出すシステムです。
都市ガス・プロパンガス・石油などを燃焼してエンジンやタービンによって発電機を駆動して電気を作るとともに、同時に発生する排熱を回収して冷暖房や給湯などに利用するもので、エネルギーの有効利用が図れます。
総合エネルギー効率は70〜80%を実現しています。
・燃料電池を導入したときのメリットは
環境面から見るとガスと電力をあわせた一次エネルギーの消費量が従来のガス給湯器+電力(火力発電)のシステムに比べて約26%削減されます。また、地球温暖化の原因になっている二酸化炭素(CO2)の排出量も約40%削減されます。
みなさんの家、すなわち一般家庭でも燃料電池をお使いになれば、無意識のうちに、地球環境に貢献できることが最大のメリットです。
・最適な燃料電池の燃料はなにか?それぞれのメリット、デメリットは?
都市ガス(天然ガス)
不純物のほとんどが含まれていないクリーンなエネルギーです。
メタンを主成分としているため、他の燃料に比べて同じ水素の量を得るのに発生する二酸化炭素(CO2)の量が最も少ない
エネルギーです。都市ガスの普及エリアならいつでも使うことのできる燃料です。
プロパンガス
都市ガス(天然ガス)と同様に不純物が少なくクリーンなエネルギーです。
輸送面でも、既存のプロパンガス配送網を生かすことができます。しかし、燃料をタンクにためて置くため、ガス切れの心配もあります。
環境面では、メタンを主成分とした都市ガス(天然ガス)に比べると多くの二酸化炭素(CO2)が発生します。
灯油
液体燃料のため取り扱いが簡単である。ガソリンスタンドなどの供給網が利用可能です。しかし、燃料をタンクにためて置くため、灯油切れの心配があります。水素(H2)を製造するときには、たの燃料に比べて、炭素(C)の量が多く硫黄(S)などの不純物を取り除くために、作りにくい性質があります。
環境面では、メタンを主成分とした都市ガス(天然ガス)やプロパンガスに比べると多くの二酸化炭素(CO2)が発生します。
・商品化について
現在、大型のものは、すでに商品化されていますが、家庭用の小型の燃料電池も実用化まであと少しのところまできていると思われます。
コストが下がり、家庭用の小型バージョンが普及してくれば、自然と省エネ、節約でき、地球にやさしい暮しと生活ができますね!
近い将来、暮しと生活の中で、停電なんて怖くない日がくるかもしれませんね!!
(注・・・家庭のすべての電気をまかなうことはできません)
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